子どもの目のサイン
- 横目づかいで見る
- 片目をつぶって見る
- 目を細めてものを見る
- テレビに近づいて見る
- 頭を傾けて見る
- 視線が合わない
- 目が寄っている
子どもの目の病気は、早期発見・早期治療が大切です。
子どもの場合、自覚症状を訴えないため、保護者が気付きにくく、見過ごされることがあります。1歳半健診・3歳児健診で発見されることが多く、早期治療に結び付けることが大切です。視覚が発達する乳幼児期のサインを見逃さないことが重要です。
気になる症状がありましたら、ぜひ検査にいらしてください。0歳児でも検査はできますよ。
弱視について
1. 弱視とは?
私たちの目は、生まれてすぐからおとなと同じように見えているわけではなく、成長の過程で目の中(網膜)に刺激を与え続けることで見え方(視力)が発達します。
発達が妨げられ、視力がでない状態を弱視といいます。
2. 原因
① 遠視
強い遠視があると、近くも遠くもはっきりとは見えないため、目の中(網膜)に刺激が与えられず、視力の発達が妨げられ弱視になることがあります。近視よりも遠視のほうが弱視になりやすいといわれています。
② 斜視
斜視があるとずれている方の目を使わなくなってしまうため、視力の発達が妨げられます。
③ その他
生まれつきの眼瞼下垂(まぶたの垂れ下がり)や白内障(目の中の濁り)、乳幼児期に眼帯を長い間つけていたりすると、弱視になることもあります。
3. 治療
弱視の治療にはタイムリミットがあります。まずは、眼鏡で治療を行い必要に応じて視力を伸ばすための訓練を行います。弱視の治療は、本人と家族の協力が必要です。
斜視について
1. 斜視とは
「斜視」とは、一つのものを見たときに両目の視線が揃わず右目と左目が違う方向を見ている状態です。
視線の方向により、「内斜視、外斜視、上下斜視」に分かれます。
2. 原因
斜視の原因は大きく分けて3種類あります。
① 遠視
ピントを合わせようと頑張ることで目が内側に寄ってしまう内斜視が出ることがあります。
② 片方の目の視力不良
病気やケガなどにより、片方の目の視力が悪くなると両目で物を見ようとする力が働かず視力の悪い方の目が斜視になることがあります。
③ 目の筋肉や神経などの異常
目を動かすための筋肉や神経に異常がみられると、目の位置がずれてしまいます、両目で一緒の物を見ることが出来ずに斜視になることがあります。
3. 治療
斜視の種類や原因、年齢などに応じて治療法も異なります。
① 眼鏡
眼鏡を使って目のズレを矯正していきます。遠視などの屈折異常がある場合は、それを矯正する眼鏡をかけます。それでも目のズレが残る場合は、プリズム眼鏡※を装用することもあります。
※プリズム眼鏡:光の進路を変える性質を利用して視線のズレを補正する眼鏡
② 手術
斜視の種類によっては、手術が必要なこともあります。方法は目についている筋肉を移動させることにより目の位置を正していきます。
検査について
1. 屈折検査
視力低下の原因となる屈折異常(遠視・近視・乱視)の状態を主に器械を使って調べます。正確な検査の為に目薬を使って時間をかけて検査する事があります。
2. 視力検査
どれだけ小さい切れ目が見えるかで、視力の値を調べます。小さいお子さんに合わせた別の検査方法もあります。
3. 眼位・眼球運動検査
目のずれ(斜視)や目の動きについて調べます。プリズムという器具でずれの量を測ったり、様々な方向を見てもらい目の動かし方に異常が無いか調べたりします。
4. 両眼視機能検査
両眼視機能は両目を使った見え方の働きです。検査では、主に立体感やものの奥行きを感じ取る能力を調べます。検査用の眼鏡を装用し、絵や図形を見てもらいます。眼鏡を使わずに行える検査もあります。
5. 色覚検査
色を見分ける能力を調べます。
※数字が読めること、検査を理解できることが必要なため、小学生位から可能な検査です。
当院の取組み
小児(乳幼児)の弱視・斜視の早期発見、早期治療をめざして、当院の視能訓練士が近隣地域の眼科健診に参加、協力しています。
3歳児健診
視能訓練士が御船町・嘉島町・甲佐町・山都町の3歳児健診に参加しています。
健診の会場となる各自治体の保健センターに行き、保健師さんや健診スタッフと協力しながら、視力・斜視・立体視などの目の検査(視覚検査)を行っています。
保育園・幼稚園健診
平成6年度より、ボランティアで保育園・幼稚園健診を行っています。現在、近隣の16園に行き、園の先生方と協力しながら視覚検査を行っています。
(令和2年~4年は、新型コロナウイルス感染症流行の為中止。)